登山道具 MSR ウィスパーライト ユニバーサル
登山やキャンプをするうえで、男子にとって火器って沼ですよね。ただお湯を沸かすだけならいいのですが、やれ重量がとか、使える燃料がとか、安定性がとか、いやいや効率性だ!とか、考えると嵌って(沈んで)いきませんか。
今回紹介するバーナーは、その悩みの一部を解決するためにMitzが買ったものです。
それはウィスパーライトのUniversalバージョンです!
1.MSR ウィスパーライトとは
MSR ウィスパーライトは、米Mountain Safety Research社が販売しているバーナーです。極地探検や高度登山では気温が極端に低い環境でも気化するガソリンストーブが使われていましたが、お弁当箱のような大きなものが主流でした。そこに、ウィスパーライトはわずか340gという当時のストーブでは考えられないような軽さで登場し、風にも強く、荷物の軽量化に貢献するということでベストセラーになりました。
その後、様々な国で燃料の制約なく使えるよう、ガソリン以外の燃料が使えるようインターナショナルモデルが販売されました。これにより、灯油(海外ではケロシン)の利用が可能になり、バックパッカーにも利用されるようになったようです。
2.ユニバーサルモデル
ユニバーサルモデルはインターナショナルモデルの燃料を選ばないバージョンに加えて、OD缶が使えるようになったモデルになります。日本未発売のモデルとなりますが、日本においてもようやくMSRのOD缶が発売されたので、そのうち正式発売されるかもしれません。
Universal Modelを選んだ理由は以下の3つです
①燃料を選ばない=燃費の節約に貢献でき、非常時にも使える
②分離型バーナーにより燃料の過加熱を心配しなくていい
③気化用の熱交換パイプにより、万一の際は液出しも可能(非推奨)
①燃料を選ばない
ウィスパーライトは燃料を選ばないため、万が一災害等が発生した場合には、灯油等の備蓄燃料が使えます。水と食料、加熱ができるバーナーが燃料を気にせず使えるのであれば、万が一ガスが止まった場合でも生活が可能と期待しています。(現実には都市ガスが止まれば何かしらの手当てがある気がしますが、”自己防衛、国なんかあてにしちゃだめよ”)
②分離型バーナー
バーナーには直接OD缶等と接続する一体型バーナーと、ホースで連結されている分離型バーナーがあります。一体型バーナーは軽量になりますが、熱源とOD缶が近く本格的な料理、それこそダッチオーブンを使ったような料理はできません。
分離型バーナーは、熱源と燃料が離れていることにより、鉄板やダッチオーブンを使うことができます。これはキャンプの時に重要になります。また一体型はどうしても高さが出るのですが、分離型は五徳が低く安定性が高いのもポイントが高いです。
③熱交換パイプによる液出し(非推奨)
気温が氷点下になるような環境においては、一般的なガス缶に使われるブタンガスはうまく気化しません。さらに、気化熱による冷却効果によって、ガス缶がさらに冷えて気化しなくなる悪循環が生じます。
ウィスパーライトには燃料を気化させるためのヒートパイプが出ており、十分に加熱された状態であれば、液体のまま燃料を供給しても気化させて燃焼することができます。(注意:液体のままの燃料が引火した場合には火災、命の危険がありますので、推奨しません)
万が一、燃料が気化せず、お湯も沸かせず命の危険があるときにはこの機能を使うことも、最終手段として取りうるということが安心感をくれます。
他社バーナーの選択肢
他社のバーナーももちろん検討しましたが、ウィスパーライトは設計が古いだけに枯れており、問題がほとんど発生し得ない、自分で対応可能なので選びました。
Prims P-136S エクスプレススパイダー
・分離型
・液出し可能
・海外のキットを使えば液燃化可能
液燃化できるのですが、トータルシステムで高くつくので諦めました。一方で、かなり評価が高いので、最後までウィスパーライトと悩みました。
Optimus ノヴァ
・分離型
・燃料ポンプ反転による消火が可能
ウィスパーライトよりも燃料調整もしやすいとのことでしたが、音量がそれなり、ガスが使えないのはマイナスポイントです。またバルブが詰まると山では修理が難しい的な評価もあり、早い段階で候補から落ちました
コールマン Exponent Stove
・一体型
一体型なので、パス。また灯油、ガソリン使えるものは生産終了で、高値取引の点もパス。
SOTO Muka
・分離型
・プレヒート不要
プレヒートが不要なガソリンストーブということですが、そのためのポンピングが数十回必要だそうであまり魅力を感じなかったです。ガスも使えないですし。
最後に
Mitzが使っている登山道具、ガソリンバーナーのウィスパーライトを紹介しました。
現実的には液燃バーナーは、東海道新幹線でのガソリン放火事件を契機に、鉄道各社では燃料持ち込みを禁止しているため、公共交通機関登山者になかなか選びづらい時代です。しかしながら、燃費の良さによる無補給縦走や、残容量を気にしない運用も可能で、こいつを相棒にこれからも山料理、山頂コーヒーを楽しんでいきます!!